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FPSに格ゲー、アプリゲームまで! TGS2016はeスポーツの盛り上がりも最高潮

2016.09.23

2日目もeスポーツステージは大盛況! 有名プロゲーマーも多数参戦

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2016年9月に幕張メッセで開催された“東京ゲームショウ2016”。その一般公開日となる9月17日・18日の2日間、特設会場では“e-Sportsステージ”が設置され、複数のeスポーツ大会が開催された。本記事では2日目となる9月18日の試合の模様をお届けする。


 


ステージA『Alliance of Valiant Arms』

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18日のステージAでは、オンラインFPS『Alliance of Valiant Arms』(以下、『AVA』)のオフライン公式大会、“AVA RST Season2”が開催された。

この大会では“爆破”部門の3位決定戦と決勝戦、そして“護衛”部門の決勝戦が行われた。

“護衛”部門決勝戦

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“護衛”部門決勝戦では、“Recycle”と“Ibis”の2つのクランが日本一を賭けて争った。

これは先攻と後攻に分かれ、NPCの戦車を守りながら、より早く最終ラインまで到達させるというもの。

先攻の“Recycle”は5人中4人がスナイパーという偏った編成。連携を取るのが難しい編成だが、熟練のコンビネーションと絶妙な位置取りで、スピーディーに試合を進めていく。

その結果、通常は5分程度でクリアーする第1チェックポイントを1分半で通過。第2チェックポイントも5分とかからず通過し、“Ibis”にRPGを撃たせないほどのプレッシャーを与えていく。結果、9分10秒での最終ライン到達となった。

攻撃に回った“Ibis”は堅実な攻めを見せ、5分程度で第1チェックポイントを通過。しかし“Recycle”の殲滅力に阻まれる場面が多く、最終ラインにたどり着けずにタイムアップ。“Recycle”が“護衛”部門日本一となった。

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1位の“Recycle”には賞金30万円とWebMoney5万ポイント、2位の“Ibis”には賞金15万円が授与された。


“爆破”部門3位決定戦

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“爆破”部門3位決定戦は、クラン“またピネだぁぁぁ”と“God Aimer”による戦いとなる。

“爆破”部門のルールと、3位決定戦の試合順は以下の通り。

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試合では開始早々“God Aimer”のスナイパー、なごふわ選手が1人で4キルする大活躍で1ラウンドを先取。しかしその後“またピネだぁぁぁ”が積極的な攻めを見せ、たて続けに7ラウンドを連取して第1試合を征する。

続く第2試合でも“またピネだぁぁぁ”の勢いは止まらず、2-7で勝利。“またピネだぁぁぁ”が“爆破”部門3位となった。

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“爆破”部門決勝戦

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“爆破”部門決勝は、 “Requish”と“DeToNator”、2つのプロチームが激突する形になった。

決勝戦は全5試合の3試合先取で開催。

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第1試合は“DeToNator”が堅い守りを見せ、前半を2-4で折り返す。後半“Requish”がやや盛り返すも、4-7で“DeToNator”が第1試合に勝利した。

続く第2試合も“DeToNator”が勝利し、王手をかけた状態で第3試合に。

“DeToNator”は引き続き、マップ内でさまざまに配置を変更しながら“Requish”を攻め続け、スコアは4-1に。

“Requish”は1ラウンドを返すも“DeToNator”の勢いは止まらず、3試合を連取して“DeToNator”が優勝した。

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“DeToNator”試合後コメント「予選で負けたときは所詮だったのでメンバーのエンジンもかかっていなかった。決勝戦はみんな声も出ていて、取られたラウンドもみんな声を出して支え合っていたので、その雰囲気で優勝できた。今後の目標は世界大会優勝」


ステージB『逆転オセロニア』『ハースストーン』

18日のステージBは2部構成となり、スマホ向けのアプリゲーム、『逆転オセロニア』と『ハースストーン』の大会が開催された。

『逆転オセロニア』“魅せろ!オセロニアンの戦-2016 in TGS-”

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第1部はDeNAより配信中の『逆転オセロニア』トーナメント、“魅せろ!オセロニアンの戦-2016 in TGS-”が開催された。

この大会では8月末に開催されたゲーム内PvPイベントが予選を兼ねており、その上位入賞者6名が今回のステージで雌雄を決するというもの。

トーナメント表は以下の通り。

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『逆転オセロニア』ステージハイライト

Aブロック2回戦:饅頭丸vs..(ツードット)

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予選を1位で通過した饅頭丸選手は、YouTubeでの『逆転オセロニア』動画配信なども行っており、プレイヤー間での知名度が高い選手。

その影響もあり、準決勝では「Twitterを見て饅頭丸さんの対策デッキを作ってきました」という..(ツードット)選手と対決することに。

攻撃的な饅頭丸選手のデッキに対し、..(ツードット)選手は徹底して被ダメージを軽減する防御的なデッキ。

盤面がすべて埋まるまで戦い続ける大激戦となったが、後手の..(ツードット)選手が最後に残ったダメージマスを踏まされてHPが0になり、決着。

メタデッキを相手にプレイングで対抗し、劇的な勝利を掴んだ饅頭丸選手に会場からも拍手が巻き起こった。

Bブロック2回戦:ルンバvsモカ

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予選2位通過のルンバ選手は、今大会唯一の魔属性デッキにて参戦。

準決勝では変則的な盤面に対し、先を読んだ的確な立ち回りを見せる。

最後は特殊攻撃に対し、先読みで配置したカウンター攻撃がとどめを刺して決着した。

決勝戦:饅頭丸vsルンバ

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決勝戦はともにシード枠から勝ち進んだ2名の戦いに。

ルンバ選手は、敵のHPに対し一定割合のダメージを与える駒“フルカス”を初手から使用。一気にアドバンテージを作り出す。

対する饅頭丸選手は、毎ターン固定ダメージを与える駒やカウンター攻撃で対抗。差を詰めたあとも攻撃の手を緩めることなく、一気に勝利を勝ち取った。

表彰式 表彰式では優勝した饅頭丸選手に、プロデューサーの仁平氏よりメダルが授与された。

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饅頭丸選手は、「(決勝戦は)かなりデッキが回ってくれていたので、定石通りの立ち回りをしていれば負けることはないと確信していた。最初の手駒が本当によかったので、順調に勝つことができた」とコメントした。

『ハースストーン』日韓対抗戦

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ステージBの第2部では、人気デジタルカードベーム『ハースストーン』の日韓トップ選手による国別対抗戦が開催された。主催はe-Sportsカフェ。

この対抗戦は“5ヒーロー”、“1BAN”、“セルフBAN”という形式で開催された。

これは最初に5つのヒーローを選出したあと、使用禁止にしたいヒーローを対戦相手が1つ指定。その後、さらに自分で1つのヒーローを使用禁止指定する。残った3ヒーローを使って試合を行い、すべてのヒーローが勝ち抜けたプレイヤーの勝利となる。

勝利チームには42万円、敗北チームには21万円がそれぞれ賞金として提供される。


『ハースストーン』試合結果

第1戦

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日本代表:tyaben選手

使用ヒーロー……シャーマン、ウォーロック、メイジ(BAN:ウォリアー セルフBAN:ドルイド)

韓国代表:Zerone選手

使用ヒーロー……ウォーロック、ウォリアー、メイジ(BAN:シャーマン セルフBAN:ドルイド)

(以下、試合結果はすべて“日本代表-韓国代表”の順に表記)

  1. メイジ●-○ウォーロック
  2. ウォーロック○-●ウォリアー
  3. シャーマン○-●ウォリアー
  4. メイジ●-○メイジ
  5. メイジ○-●ウォリアー

日本勝利

tyaben選手が最後に使用したのはテンポメイジデッキ。最後までどちらに転がるかわからない試合となったが、最後には手札で温存したファイアーボールが勝負を決めた。

第2戦

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日本代表:Jako1910選手

使用ヒーロー……ドルイド、メイジ、ウォーロック(BAN:シャーマン セルフBAN:ウォリアー)


韓国代表:Handsomeguy選手

使用ヒーロー……ハンター、ローグ、シャーマン(BAN:ウォリアー セルフBAN:ドルイド)

  1. メイジ●-○ローグ
  2. ドルイド○-●シャーマン
  3. ウォーロック○-●シャーマン
  4. メイジ○-●ハンター

日本勝利

ここまでで日本側2勝となり、対抗戦は日本側の勝利が確定。

最終戦は時間の都合により、各自で3ヒーローを選出しての2本先取マッチで開催された。

第3戦

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日本代表:Tredsred選手

使用ヒーロー……ドルイド、メイジ、ローグ、シャーマン、ウォリアー

韓国代表:DDaHyoNi選手

使用ヒーロー……ウォリアー、シャーマン、パラディン、ハンター、ドルイド

  1. ウォリアー○-●パラディン
  2. ドルイド●-○ハンター
  3. シャーマン●-○ウォリアー

最終戦ということもあり、観客にも熱が入る。キーカードをドローした際や絶妙なプレイングで盤面の優勢がひっくり返るタイミングなど、ゲームが動くたびに歓声が上がっていたのが印象的な試合だった。

表彰式

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表彰式では両チームに賞金が授与。さらに、勝利した日本チームには優勝トロフィーが贈呈された。


『ストリートファイターV』ジャパンカップ決勝(Twitchブース)

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eスポーツステージのほか、Twitchブースでは『ストリートファイターV』を使用し、“CAPCOM Pro Tour 2016:JAPAN CUP”の予選と決勝大会が開催された。

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格闘ゲームプレイヤーからは注目度の高い作品ということもあり、ブースの前には大勢の人だかりが。選手たちを直接見ることのできるステージだけでなく、中継映像のみのスペースでも大勢の人が感染している様子が伺えた。

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大会の優勝は台湾のトッププレイヤー、GamerBee選手。さらに準優勝は韓国のPoongko選手と、アジア勢が席巻する大会となった。

『ストV』優勝&準優勝選手コメント

大会後、本大会で優勝したGamerBee選手と準優勝のPoongko選手に、本大会についてのコメントをいただいた。

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優勝
GamerBee選手

コメント
「今日は調子がよかった。あとは相手のプレイスタイルを研究し、対策したことが勝因」
 
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準優勝
Poongko選手

コメント
「ちょっと甘かったですね。もっと時間に余裕があれば可能性があると思ったが、やはりGamerBeeさんは強かったです。自分の運がよければわからないが、それ以上にGamerBeeさんがもっと強い。今日優勝できれば気持ちよかったが、今後もまだまだ大会はある。それに備えてもっと練習します」
 

ももち選手インタビュー

本大会の決勝戦について、昨年のEVO2015『ウルトラストリートファイターIV』世界王者、ももち選手にインタビューを行った。

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ももち
EVO2015『ウルトラストリートファイターIV』優勝
 

――今回の決勝戦はいかがでしたか。

ももち 今回のファイナリストは台湾と韓国のプレイヤーですがが、日本にも2人のファンはたくさんいます。国内大会で海外の選手が優勝すると『日本人じゃないのか』という雰囲気になりやすいんですが、今回の決勝は全員が応援する空気になっていたのがよかったですね。一方で日本人選手に取ってほしかった気持ちもあります。

――勝敗を分けたポイントを、ももち選手なりの視点でお願いします。

ももち GamerBeeが最近力をつけていることでしょうか。最近はTwitchで働いていて「ゲームする時間がない」と嘆いていましたが、今回はタイミングよく、いいコンディションで来れたのかと思います。

――最後に、ご自身の抱負をお願いします。

ももち カプコンカップですね。決勝が年末にあります。去年は悔しい結果になっているので、今年こそはという思いで頑張りたいと思います。

編集後記

“TGS2016”の一般公開日で開催されたeスポーツステージ。ステージAでは連日に渡ってFPSタイトルの国内公式大会が開催され、会場には両日とも多くの観客が集まった。

また『ストV』はステージを移しながら2日に渡って開催され、決勝大会ではブースに収まりきらないほどの人だかりができた。

これらはいずれも、日本ではeスポーツ競技として馴染みのあるジャンル。今後もeスポーツ人気の中心軸となっていくことが予想される。

一方、2日目のステージBで開催された2つのゲームは、どちらもスマートフォン向けのアプリゲーム。今回のTGSではほかにも、『Shadowverse』や『Vainglory』といったアプリゲームの対戦会が開催されていた。カジュアルなイメージのあるアプリゲームだが、eスポーツ種目としての競技性を備えたゲームが国内外から現れてきている。

一部タイトルでは2000万円もの賞金を懸けた大会が開催され、これまでeスポーツに興味のなかった一般層からも注目を集めている。アプリゲームは今後のeスポーツシーンにおいて、どんどんその存在感を増していくだろう。


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